病気自慢・ケガ自慢の一病息災 風が吹いても痛い![痛風]
代謝障害や内分泌障害により、尿酸が体内に異常蓄積して関節炎を起こす病気
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■痛風とは?

ソクラテス、アレクサンダー大王、ニュートン、ミケランジェロ、チャーチル・・・これら世界の偉人が悩まされた病気が痛風
肥満、美食、運動不足などにより血液中の尿酸が上昇して起こり、おもに足の親指の関節が激しく痛む病気である。

このように痛風は、昔から王侯・貴族や権力者に多く、また日本では、戦後の経済発展によってもたらされた飽食の時代に患者が増えたために、「ぜいたく病」などと言われ続けてきた。
現在でも偏見に満ちた(誤解の多い)病気の筆頭かもしれない。
<痛風の原因>参照

ちなみに痛風は、「エネルギー代謝の調節障害によって生じた高尿酸血症に起因する急性の関節症状を起こす病気」と定義される。
高尿酸血症状態が続くと、体内にある尿酸は溶けきらないで結晶化し、尿酸塩となる。この尿酸塩がもっとも沈着しやすいところが足の親指の付け根。
そのため、最初の痛風発作の70%前後がここから始まる。なお、10年以上高尿酸血症状態にあると、高い確率で痛風発作を起こすと言われている。

「痛風発作は大事なときほど起きやすい」
これは、ストレスが尿酸値上昇の原因となることがあるから。
そのメカニズムはまだ解明されていないが、本場所中の関取や登板を控えたプロ野球の投手が痛風になることはよくある話。そういえば、アメリカ帰りの「浜の大魔神」も痛風のはず。<サンスポの記事>

このほか、発作の引き金となりやすいのは、激しい運動。
運動をすると、からだの中の水分が減少するため、結果として尿酸の濃度が高くなり、結晶化することになる。
また、運動によって、細胞が壊れ、尿酸のもととなる核酸も大量に放出されるので、ダブルで尿酸の濃度が上がることになるため。スポーツのあとのビールなどもってのほか!
ビールの持つ利尿作用でからだの水分はもっと失われ、尿酸を濃くするだけ。喉を潤すからといって、からだを潤したことにはならない。
おまけにビールには尿酸のもととなるプリン体も多く含まれるので、そういう意味でも厳禁だ。<痛風の症状と治療>参照

痛風の痛みは強烈で、尿管結石とともに痛みの双璧と言われている。じっとしていても耐えられないほどで、心臓が送り出す血液の「ドクン、ドクン」という音、あるいはそばを通るひとが巻き起こす風でも痛みを感じてしまう。
すなわち、「風が吹いても痛い!」のである。しかし、痛風は痛み自体で生命を脅かすことはない。
むしろ、高尿酸血症に起因する合併症が大きな問題となる。
<経過と合併症>参照

現在痛風患者は約50万人、痛風予備軍とも言える高尿酸血症のひとは、およそ10倍の500万人で、その大多数は30歳以降の、いわゆる働き盛りの男性とされている。
しかし近年、若年化傾向にあり、20歳代の患者や、以前は見られなかった女性の痛風患者も増えているらしい。その原因として、食生活の西欧化、ストレスやアルコール、ダイエットなどが考えられている。
今や痛風はぜいたく病ではなく、誰でもがかかる恐れのある生活習慣病である。

痛風の治療は、痛みの発作を抑える対症療法と発作の原因である尿酸を管理する尿酸コントロールの二本立て。
発作時はまず整形外科を受診・・・なのだが、その後の尿酸管理を考えると内科のほうがよいかもしれない。ただ、高尿酸血症の自覚がないと、とりあえずは整形に行ってしまうと思うが・・・
発作は痛風の特効薬「コルヒチン」や非ステロイド系の抗炎症薬の使用、赤く腫れた患部の湿布などの対処で、数日のうちにおさまる。
この時、ビールなどのアルコールは避けたほうがよい。また、食事も、肉類や魚などのタンパク質や脂質より麺類やパンなどの糖質が適している。
さらに、水分を多めに摂ることも大切。尿量が増えることで、尿酸の排泄が促進され、発作が緩和する。

痛みがなくなったら、発作をくり返さないため、合併症を起こさないための治療が始まる。痛風の根本的原因、高尿酸血症の治療だ。
からだの中の尿酸が増える原因は・・・
1.生成する尿酸が多い
2.排泄機能の低下
3.あるいは両方
が考えられる。
このため、原因により治療法は変わるが、基本はからだの中の尿酸量を正常値に保つこと。尿酸の生成量が多い場合、ザイロリックなどの尿酸合成阻害剤で尿酸の生成量を抑えたり、尿酸は酸性で結晶化しやすいので、尿をアルカリ性に保つウラリットなどの尿アルカリ化剤を服用することになる。
なお、薬を飲んだからといって尿酸生成システムが正常に戻るわけではない。薬で生成を抑えているだけなので、服用を中止すれば尿酸値は治療前に戻ってしまうことになる。
そのため、尿酸のコントロールは一生涯続く治療となる。
<痛風の症状と治療>参照

高尿酸血症は早めの治療がとても大切。早期に治療を開始すれば痛風の激痛に見舞われることもないし、合併症で命を危険にさらすこともない。そのためには早期発見が必須。
職場などでの健康診断が受けられないひとは、自分で検査しよう!

*「痛風自慢」の引用は、主婦と生活社「最新家庭の医学百科」参考資料は、主婦の友社「よくわかる最新医学 痛風」

2004.4 

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